パスのサポート距離

 

今回のテーマは「パスのサポート距離」です。

f:id:wecm:20200504151020j:image

ほとんどの方がショートパスによる戦術を使っていると思うので、「パスのサポート距離」は近いに設定されている方が多いと思います。

 

ですが、サイド攻撃に設定したい時にどうするか、けっこう迷いませんか?

迷うって方、多いんしゃないでしょうか。

 

そこで、今回はサイド攻撃したい場面、「パスのサポート距離」をどうすればよいか?について考えたいと思います。

 

今回用意したシステムはこちら。

f:id:wecm:20200504151750p:image

フラット型の4-3-3で、サイドからのショートカウンターというレアル・マドリーで採用されている戦術です。

 

まずは、「パスのサポート距離」を遠いにしてみます。

 

ショートパスによるサイド攻撃に設定しいるので、ボールを奪うと左右に開いているウイングの足もとにパスが入るところから攻撃がスタートします。

f:id:wecm:20200504183323j:image

上の写真は、ボールを奪ったアンカーのジウベルト・シウバから右ウイングのモハメド・サラーにボールが渡った場面です。

 

良い写真が撮れず、アップ出来ないのですが、この後、CFのルカクはディフェンスラインの背後に抜ける動きをし、パスが出てこないとわかると、ゴール前でクロスに備える動きをします。

 

全体的に右サイドでボールを持っているサラーに対してフォローする様な動きはあまり無く、孤立するサラー。

 

しかし、ドリブルとスピードが一級品のサラーは右サイドをドリブルで突破してクロスまでいけちゃいました。

スゴい・・・。

 

反対に「パスのサポート距離」を近いにしてみます。

f:id:wecm:20200504154623j:image

同じ様なシチュエーションで、左SBのメンディから左ウイングのデンベレへボールが渡ります。

 

ここまでは同じ流れですね。

しかし、この時CFのルカクはサラーの時と違い、デンベレに近づく動きをします。

f:id:wecm:20200504154935j:image

ちょっとわかりづらいですかね・・。

 

この後、デンベレからルカクにパスが入り、ターンするルカク。そして、逆サイドからフリーで走りこむサラーにボールが出されてゴールが決まりました。

さらに、ビルドアップの際、CFのルカクがトップの位置から降りてきて縦パスを積極的に受ける様な動きも増えました。

 

明らかに、攻撃の連動性が高くなりましたね。

 

つまり、ショートパスによるサイド攻撃に設定すると、ウイングの足もとにボールを入れるところから攻撃がスタートし、次にサポート距離を遠いに設定すると、CFはゴール前でクロスに備える動き、逆サイドのウイングはサイドチェンジに備えて待機する様なポジショニングが多くなります。

反対にサポート距離を近いにすると、ボールを持った選手に近づいてコンビネーションによる攻撃を行う動きが多くなりました。

 

上記の事から、何を優先したいかによって設定を替える必要があるのかなと感じます。

 

ショートパスによるサイド攻撃をメインにしたい場面は、サポート距離は近い方が相性は良いと思います。

その場合、CFの選手は足もとで受ける動きが多くなりますので、ポストプレイヤーが最適、さらにボールコントロールやグラウンダーパスの数値が高い選手が良いのではないでしょうか。

 

逆に、サイドからのクロスでズドン!といきたい場面は、思い切ってパスタイプをロングパスにしちゃいましょう。

サポート距離は遠いでオッケーです。

 

ウイングにはロングフィードに抜け出すスピードとピンポイントクロス、例えばディ・マリアなんかピッタリですね、CFには長身でヘッダー持ちの選手、尚且つボックスストライカーをプレースタイルに持つ選手、まさに今回使用したルカクがコレに当てはまりますが、そういった選手達を配置すると良いかもしれません。

 

結論としては、どちらが優れているか?という事ではなく、設定した戦術に対して整合性が取れているか。

さらに設定した戦術を遂行するのに適した選手を配置できているか?ということだと思います。

 

そこまで考えなくても良いと思いますが、どうせやるなら勝つ確率を少しでも上げたいですよね。

 

という事で、なかなか曖昧で分かりづらい「パスのサポート距離」についてでした。